ちゃんと根拠を持って買わないとダメだよね」── 自分の失敗を振り返ったあと、いま私の中に残っている一行です。今日はその根拠が薄いまま買ってしまった、自分の2件の失敗を並べておきます。

1つは損切りで終わった話、もう1つは現在進行形で含み損 −59% を抱えている話。両方に共通する根っこがあって、これがそのまま、いま私が一番気をつけている軸になっています。

根っこは「短期トレード」じゃなくて 「根拠を持って買えてなかった」 こと。
PER の絶対値や株価の安さ・「下げ止まりっぽい」という勘は、買う根拠の代わりにはならない

第1章 事例1:アライドテレシス ── じわじわ下げて損切り

最初の失敗は アライドテレシス(東証 6835)。

このときは「何で買ったの?」と自分に聞いても、答えられなかった。「なんとなく手頃で、上がりそうな気がしたから」── これだけ。

PER の数字は普通だったので、「PER のせいで失敗した」とは言えません。失敗したのは、そもそも『なぜこの会社が伸びると思うのか』の根拠を、自分で持ってなかったからでした。

第2章 事例2:オリエンタルランド ── 半額になって、長期保有に切替

2件目は オリエンタルランド(4661)。これは現在進行形の話です。

これは「失敗のあと、自分の判断の置き場所を変えた」例です。

買った時の判断は雑(「下げ止まりだろう」という勘)でした。でも含み損を抱えた状態で改めて業績やビジネスモデルを見直してみたら、「長期では持ってもいい会社」という結論になった。だから損切りせず、長期保有スタンスに切り替えた

買った時と今で、根拠の質が変わった。同じ含み損でも、根拠ができたあとは持ち続けられる ── これが私なりの整理です(合っているかは、数年後にしかわかりません)。

第3章 2件の共通点と、自分への問い

アライドテレシスとオリエンタルランド、買った理由は違って見えますが、根っこは同じでした。

  • どちらも 「短期で少しでも上がればいい」 という気持ちで買っている
  • どちらも 業績や伸びる材料を見ずに買っている
  • どちらも 「数字が手頃に見えた」「下げ止まりっぽく見えた」 という表面情報だけが根拠

並べてみると、本当の失敗の理由が見えてきます。「短期トレード」が悪かったわけじゃない。買う瞬間に、自分の中に『なぜこの会社を持つのか』の根拠がなかったこと、これが共通の失敗パターンでした。

根拠を持って買わないと、結局あとから困るのは自分。

── 失敗を振り返ったあとに残った一行

短期トレード自体を否定するつもりはありません。専門的に、ルールを決めて、短期にも『これで上がる』という根拠を持ってやる人もいます。問題は私の場合、長期投資のつもりで個別株をやりたいのに、買う瞬間だけ根拠が薄くなる、というやり方の中の矛盾でした。

今は、こう考えています

この2件の失敗を踏まえて、私の中で0番目の鉄則が決まりました。

根拠を持って買う。
「なぜこの会社を、いま買うのか」を1行で説明できないなら、買わない。

そして、この鉄則の派生として、自分のために3つのチェックリストを持つようになりました。

  1. 買う前に必ず業績を見る。最低でも、売上・利益が伸びているか縮んでいるか・ROE の水準くらいは確認する(=根拠の最低ライン)
  2. 「これは長期か短期か」を自分でわかってから買う。長期と短期は別ゲームなので、買う瞬間にどっちかを決める
  3. 短期トレードをするなら、それ用の根拠とやり方で。「短く持つのに、長期の理屈で買う」みたいな混ぜ方をしない

完璧じゃないですが、買う前に1分でいいから「自分はなぜこれを買うのか」を1行で言葉にするだけで、雑に買う回数は減りました。

根拠を持って買う」── 言葉にすると当たり前のことに見えます。でも、当たり前のことを当たり前にやるのが一番難しい。私はまだ、その当たり前を続ける練習中です。


PER の使い方そのものを学び直したい人は、PER の本当の意味 — 「割安」って何を測ってるのか(2時間目 第5回)で、数字の読み解き方を構造から整理しています。あわせて読むと、この失敗の根っこがより立体的に見えるはずです。

2-5 PER の本当の意味 — 「割安」って何を測ってるのか 今回の失敗を整理し直した、ハロ版『PER の使い方』。数字を見たら、まず『なぜその数字なのか』を考える、というルールが入った経緯です。